
| 島田勝弘 の 超えられるか異文化の障壁 | |
| NO.10 | おいしい話 |
|
30年前、オーストラリアからNZ航空に乗ってニュージーランドへ向う途中でのこと、機内食のランチを食べました。たいてい機内食というと、chicken or beef?と聞かれるのが、普通ですが、出てきたのは選択の余地もなく、羊の肉でした。朝食も昼食もとらず、空腹で思いっきり機内食を楽しもうと思っていた私は、ゲッという思いでした。日本で食べたマトンもオーストラリアで食べた羊の肉の入ったミートパイも臭くて、慣れるまでとても食べられるものではなかったので、こんなことなら朝食も昼食も食べてから飛行機に乗ればよかったと悔みながら、お腹が空いていたので、骨を持って食べてみました。そして、おやっと思いました。羊の肉ではなく、マグロのトロの照焼なのです。つまり、マグロを串に刺して焼いたものなのです。肉は柔らかくて、ビーフを噛む時に感じる輪ゴムのようなものが入っていません。脂は何とも良い香りがしてジューシーでした。今まで何十回と飛行機に乗り、どんな機内食が出るのか楽しみですが、こんなにおいしい機内食に出会ったのは初めてでした。
羊の肉は安いが、臭くてまずいとほとんどの日本人は思っています。30年40年前、羊肉がまだ日本人の口には珍しい時代、羊の肉は少しずつ輸入され出回っていましたが、安いことには安いけれど、それは硬く臭くおいしいものではありませんでした。
それならば、「マグロのトロを串に刺して、塩・こしょうなどで味をつけたものをラムといい、西洋では高貴な人々に愛された料理である」と宣伝してはどうでしょう。日本人は先を争って輸入し、金にいとめをつけず口にするでしょう。日本人が食べる最高の食品はマグロのトロで、通はそれがどんなに高くても、おいしい店を捜して口にします。Beef or chickenでなく、昨今のニュースでbeefもchickenもダメになってしまいましたから、マグロのトロよりおいしいlambを食べると良いはずです。
日本人が珍重してよく食べる魚に、出世魚といって成長と共に名前が変わるものがあります。 先日、日本ニュージーランド協会会長の實吉さんと、ニュージーランド大使館の会議に出席しました。昼食のバイキング料理の中にlambがあり、ご馳走になったのでお世辞を言う訳ではありませんが、とてもおいしかった。他の肉や魚料理はたくさん残っていたのに、lamb料理はあっという間になくなってしましました。Lambはこの地球上に存在する極上の食べ物なのです。 儲かる話でなく、食べる話ばかりでゴメンナサイ。 |
|